潮流発電の可能性
潮流は、風力や太陽光のように天候に左右されず、『予測可能性』『確実性』『安定性』において優位性がある。
外国に輸入依存しない、かつ安定的、沿岸域のエネルギー源として、潮流発電を開発する意義は大きい。日本における潮流発電のポテンシャルは約22GW、適地を考慮すると現実的な導入量は約1.9GW、発電可能量は年間電力需要の約 0.7%と試算されている(NEDO,2014)。
瀬戸内海や九州西岸、津軽海峡など適地として期待できる。海外では、カナダ東北岸海域、東シナ海域、英国スコットランド沖、インドネシア海域などが有望。
活動目標
(1)洋上風力発電など実用技術において欧米に後塵を拝する背景には、要素技術を発掘し周辺技術を組み合わせる実用本位な総合エンジニアリング力が課題である。長期安定運転が求められる発電事業は、保守、修理の観点からも、外国に依存しない国内の技術基盤が重要。次世代とされる潮流分野においても既に欧米の実用技術開発は始まっており、欧米と比肩しうる日本固有の研究技術も事業化に向けて動く必要がある。日本固有の技術を事業化のベースとなる実用技術にステップアップさせるために、実潮流実験によるデータを蓄積して、わが国の潮流発電事業のエンジニアリング力を高めたい。
(2)情報格差が大きく社会の諸課題と接する機会が希薄な地方の若者に対して、その進路を決める前の高校生の段階で、大人世代と一緒にグローバル社会の諸課題を考察し、科学的に解決策を探求する機会を創出することが有意義と考える。早崎で別途進める潮流発電エンジニアリングに参加する大学研究者や企業エンジニアが協力して、地元の高校生(大学生、中学生を含む)を中心とした若者に対して、海を科学的に知る機会として海域の環境影響モニタリングの調査研究を実施することが有意義と考える。